【塗料の種類】光触媒塗料とは?
2023年01月06日(Fri)
太田市の外壁塗装・屋根塗装専門店のJ’sPaintです。
外壁や屋根の塗り直しの際に塗料の選び方がわからない
といったお問い合わせをよくいただきます。
確かに塗料は種類が多すぎて、どの塗料がどんな性能なのかわかりづらいですよね。
今回はそんな塗料の種類の1つ、光触媒塗料について解説していきます。
光触媒とは?
光触媒塗料と言われても、そもそも光触媒とはなんぞや?となってしまいますよね。
光触媒とは、酸化チタンのことです。
酸化チタンは光が当たると化学反応を起こし、汚れや細菌を分解することができます。
酸化チタンとは?
酸化チタンとは化粧品にも使用されている白色の顔料のことです。
酸化チタンにはアナターゼ型・ルチル型・ブルカイト型の3種類があります。
・アナターゼ型 光触媒としての働きが強く、主に光触媒塗料として使用されている
・ルチル型 人体への影響が少ないため、主に顔料として使用されている
・ブルカイト型 工業用では使用されていない
以前紹介したラジカル制御型塗料は、ルチル型酸化チタンにコーティングをして長持ちさせる塗料でしたが、
今回ご紹介する光触媒塗料はアナターゼ型酸化チタンをたくさん使って壁を綺麗に保ちます。
そんなことしたらラジカルが大量に発生して外壁との密着が弱くなって、チョーキングが起こるのでは?
って思うのですが、実際に光触媒塗料を塗装した家でそういった事例もあったようです。
光触媒塗料の特徴
現在では使われていない
・施工が難しく、認定された会社でしか施工ができなかった
・TOTOのハイドロテクトコートという商品が主流だったが、現在は生産中止
・光触媒塗料よりも安価で高品質な塗料が台頭してきた
・カラーが少ない
・塗った面が紫外線に当たらなかったり、雨に当たらない陰だと効果がない
といった理由から、現在は使用されていない塗料になります。
施工性に関してはかなり難があったようで、風が吹いただけでムラになってしまい、
上手くセルフクリーニング機能が働かなったなんてこともあったそうな。
ハイドロテクトコートが生産終了になった背景には、施工したはいいもののクレームが頻発してしまい、
手に負えなくなってしまったからという説もあります。
カラーに関しては酸化チタンが多く含まれているため、白に近い色しか作ることができなく、
ラジカル制御型塗料よりもカラーバリエーションは少ないです。
白系以外にもアクセントでしっかりした色を入れたいというお客様も多いので、
要望に応えられないのは使い勝手が悪いですよねー。
酸化チタンは紫外線を利用して化学反応を起こすので、
そもそも紫外線が当たらない場所では効果が薄いのもいただけませんね。
また、雨が当たらない場所は分解した汚れが流れ落ちないので、屋根や軒下なんかは効果がなかったそう。
総合的に見て、外壁の塗り直しには適してない塗料だったってわけですね。
セルフクリーニング機能
光触媒塗料といえばセルフクリーニング機能ですね。
光が当たると塗膜の表面に付いた汚れや細菌を分解してくれます。
また、光触媒塗料は大気中の有害物質も浄化してくれます。
排ガスに含まれる窒素酸化物や硫黄酸化物を分解して、硝酸イオンや硫酸イオンにしてくれます。
このイオンは中性に近いため、環境ほぼ影響はないとされています。
さらに、光触媒塗料には脱臭効果もあります。
人間が不快と感じる匂いにはアンモニアやアセトアルデヒドがありますが、光触媒はこれらを分解することができます。
家に塗って空気清浄機能が付くなら環境にも優しくていいなーと思いがちですが、
残念ながらデメリットが大きすぎましたね…
これから技術が進歩し上記のようなデメリットが少しずつ解消されていけば、
近い将来に実用的になるかもしれませんね。
まとめ
現状光触媒塗料は実用的ではないので、
高耐久な塗料で外壁塗装をするとしたらシリコン樹脂のラジカル制御型塗料をお勧めします。
ラジカル制御型塗料につきましては、こちらの記事で書いておりますので、合わせてどうぞ。